上部消化管造影検査について
当院では、上部消化管造影（胃バリウム）検査を行っています。年間450件ほど行っています。
上部消化管造影検査（胃透視）とは
食道と胃を検査します。造影剤（バリウム）を胃の粘膜に付着させ、空気を入れることで風船のようにふくらませた後、内側の壁のこまかい状態を観察し撮影します。
胃の形や位置は人によって大きく異なりますので検査時間も個人差があります。通常、検査が始まると10～ 15分程度で終了します。
上部消化管造影検査（胃透視）では炭酸ガスを大量に発生させる粒を飲んでいただきますので、ゲップ、咳等がしたくなりますが良い検査のために我慢してください。
検査着に着替えていただきますので、当日は着替えやすい服装でお越しください。
胃がんの基礎知識 ～胃の構造と胃がん～
もっとも胃がんのできやすいのは幽門部で（幽門前庭部）で、胃の出口、十二指腸へとつながります。
胃がんは食生活と密接な関係があり、食塩の過剰摂取とも関係するといわれています。
ヘリコバクター・ピロリ（ピロリ菌）も深く関わっているとされます。食事の生活習慣の変化から、若年層には少なくなっていますが、人口の高齢化を反映、死亡数や罹患数は決して少なくありません。
胃がんは特に日本人に多いがんで、1998年に肺がんに追い抜かれるまでがん部位別死因のトップでした。
現在は部位別死因の3位で、罹患数は大腸がんに次いで2番目に多いがんです。
早期の段階で発見されれば、良好な経過が期待できるがんです。
上部消化管造影検査 よくある質問（FAQ）
- 検査前
Ｑ なぜ、検査時の前処置（絶食、検査食）は必要ですか？
食べ物が胃や大腸に残っているとそれが邪魔をして異常所見を見つけにくくするからです。水分はバリウムが水で薄まってしまい上手く胃壁に付着しなくなります。こちらも病変を見つけにくくなります。
Ｑ 更衣の必要性
衣類にボタンや金属等が付いている場合は、検査の妨げとなります。また、衣類にバリウムや汚物等が付いて服を汚す可能性もありますので専用の検査着に着替えていただきます。
Ｑ 朝ごはんを食べてしまったら？
胃を空にした状態でないと小さな病変などが見つけにくくなるため、後日、絶食にて再検査となります。 - 検査中
Ｑ ゲップをしないでと言われましたが、どうしてですか？
検査中は、空気で胃を膨らませて観察します。ゲップをしてしまうと、胃がしぼんでしまい観察しにくくなります。細かな病変が見つけにくくなるので、できるだけ我慢してください
Ｑ 圧迫筒で圧迫される時、押されて苦しいことがありますか？
胃の粘膜病変の程度を見るために、専用の筒で腹部を圧迫することがあります。押されると苦しいことがありますので痛かったり、我慢できないときは教えてください。
Ｑ なぜ造影剤が必要ですか？
造影剤を使用することで、透視の際に画像にコントラストをつけて観察できるようになり、形状の把握や病変の発見、またその広がりが観察しやすくなります。
Ｑ 体位変換（ローリング）は急いだ方がいいですか？
急ぐ必要はありませんので焦らずにゆっくり、落ち着いて動いて下さい。指示の声が聞き取りにくい場合は声をかけてください。
Ｑ もしゲップが出てしまったらどうなりますか？
そのままでは良好な検査にならないことがあります。場合によっては、もう一回発泡剤を飲んでいただきます。
Ｑ バリウムは全部飲まないとダメですか？
検査に対しての必要量を準備しています。良好な検査をするためになるべく頑張って飲んでください。
Ｑ 体位を変換するのが辛いのですが
胃をまんべんなく観察するには体位変換が必要です。お一人で動けない場合はお手伝いいたします。
Ｑ バリウムは飲んでも大丈夫ですか？
体に影響の少ない成分で出来ているため副作用はほとんどないのですが、下剤と水分摂取が足りないと、バリウムが固まって腸内に残ってしまう場合があるので注意が必要です。
検査終了後は十分な量の水分補給と下剤の服用をお願いします。 - 検査後
Ｑ 検査後に注意すべき事はありますか？
十分な水分摂取をお願いします。検査後はなるべく早くバリウムを体から外に出しますので、下剤の服用をお願いすることがあります。下剤が処方された場合は、指示に従って服用してください。
Ｑ 下剤の服用について
検査終了後、なるべく早く水分の補給をお願いします。下剤が処方された場合は指示に従って服用してください。
Ｑ 仕事のため下剤を飲まなくても大丈夫ですか？
必ず飲んでいただきたいのですが、飲みたくない場合やご都合が悪い場合は医師にご相談ください。
Ｑ 便秘症なのですが大丈夫ですか？
処方された下剤を服用し、水分をとにかく多く摂ってください。担当医師に便秘症である旨をお伝えいただき、指示に従ってください。
Ｑ 検査後の食事で気を付けることはありますか？
何を食べても大丈夫ですが、消化の良いものを食べて下さい。検査当日と翌日は通常よりも水分を多めに飲んでください。水･お茶・ジュース等何でも結構です。特に制限されているものがある場合は医師にご相談ください。
Ｑ 下剤は、どのくらいで効いてきますか？
下剤が効きやすく、早い方だと1～2時間位でバリウム便が出始めます。個人差がありますので、気になる方は医師にご相談ください。
